コラム 2025.6.6(公開日: 2024.6.14)

スケルトン階段とは?メリット・デメリットと間取りのポイントを解説

オリジナリティのある家づくりをしたいと思う方の中で、スケルトン階段の人気が高まっています。今回は、スケルトン階段の特徴とメリットやデメリット、スケルトン階段を採用する際に注意するべき点から、おしゃれな実例まで詳しくご紹介いたします。

スケルトン階段とは

スケルトン階段とは

スケルトン階段とは、階段の構造部分であるササラ桁と、足を置く段板をメインの構成要素とし、一般的な階段のように側桁や蹴込み板などを付けない階段のことです。シンプルで洗練されたデザインが特徴で、構成部材が少ないことから、家に取り込んだ光や風を階段で遮断することなく、内部まで届けることができます。このようなデザイン性の高さや機能性から、近年おしゃれな家づくりを目指す人たちの間で人気となっています。

スケルトン階段のメリット

スケルトン階段のメリット

視界が抜けて部屋が広く見える

スケルトン階段のメリットの一つは、視界が抜けて部屋が広く見えることです。通常の階段と違い、スケルトン階段は踏板や手すりが開放的なデザインで作られているため、視線を遮ることがありません。階段があるにもかかわらず、部屋全体が一体となり、広がりを感じさせてくれます。特に小さな空間を広く見せたいという場合には効果的で、室内をより開放的でスタイリッシュに見せることができます。

空間のアクセントになる

スケルトン階段の大きなメリットは、空間のアクセントになることです。自分好みのデザインにすることができるので、階段を単なる移動手段として捉えるのではなく、部屋全体のデザインや雰囲気を引き立てるインテリアとしても活用することができます。スケルトン階段を空間全体の雰囲気に合わせることで、自分がイメージする理想の空間を実現できるでしょう。

階段下のスペースが自由に使える

スケルトン階段は、階段下のスペースを自由に使えるというメリットもあります。通常の階段下は壁に囲まれた小さな空間ですが、スケルトン階段は踏板や手すりなど最小限の部材だけで構成されているため、階段下をオープンな空間として有効活用できます。コンパクトなワークスペースやピアノ置き場、好きなインテリアを飾るなど、自由に使うことができます。

廊下のない間取りにも対応できる

スケルトン階段は、視線の抜けが良く、空間を遮らないため、廊下を必要としない間取りにも適しています。従来の階段とは異なり、上下階を直接つなぐ開放的な設計が可能で、リビング階段としても人気です。限られた床面積を有効活用したい方や、広々としたワンルームのような空間を目指す方にとって理想的な選択肢となります。また、家族の気配を感じられる空間づくりにも一役買う存在となっています。

光や風が入りやすい

スケルトン階段は、踏板と踏板の間に隙間があるため、光や風が階段を通して上下階に届きやすいところが特徴です。自然光を家全体に取り入れやすく、風通しの良い快適な住環境を実現できます。特に吹き抜けや中庭のある間取りと相性が良く、明るく清潔感のある空間が実現できるでしょう。窓の配置や通風計画と組み合わせることで、省エネにもつながる点もメリットです。

スケルトン階段のデメリットと対策

スケルトン階段のデメリットと対策

安全性に注意する必要がある

スケルトン階段を取り入れる際は、安全性にも注意する必要があります。スケルトン階段のデザインは洗練されていて開放的ですが、落下のリスクもあります。特に小さな子供やペットがいる家庭では、安全性を確保するための手すりやネットの設置、階段周辺にゲートを設置するなどの対策が必要となるでしょう。

費用が高くなる

スケルトン階段は、その高いデザイン性から設置費用が高くなることも。自由にデザインできる点は素晴らしいメリットになりますが、形や素材によっては特殊な素材や加工技術が必要となるため、一般的な階段よりも高額になる場合もあります。設置する際は、予算内での設計や素材の選択が重要と言えるでしょう。また、建築会社と相談し、予算に応じた最適なデザインを見つけることも大切です。

スケルトン階段を取り入れる際の間取りのポイント

スケルトン階段を取り入れる際の間取りのポイント

メリットを生かす設置場所を決める

スケルトン階段のメリットを生かせるかどうかは、設置する場所で変わってきます。例えば、リビングに設置した場合、開放感や空間の一体感、こだわりのデザインを見せやすいというメリットが生まれます。スケルトン階段の強みを活かせるような場所に設置できるよう計画しましょう。

生活動線を考えて階段の設置場所を決める

階段は家族が毎日上り下りするので、階段下に居住空間を作る際には注意が必要です。階段を通るときに発生してしまうほこりや音が、階段下で過ごす人に影響を与えることなども想像しておく必要があります。スケルトン階段を取り入れる際は、生活動線や日々の暮らしをイメージながら間取りを考えましょう。

空間の雰囲気に合わせてデザインを決める

スケルトン階段は構造が見えるため、住まいのデザイン性に大きな影響を与えます。ナチュラル、モダン、インダストリアルなど、空間全体のテイストに合った素材やカラーを選ぶことが重要です。例えば、木製の踏板は温かみを演出し、スチール製は都会的な印象を与えます。デザインを統一することで、住まいに一体感が生まれ、ワンランク上の空間演出が可能になります。

断熱性・気密性を考慮する

スケルトン階段は開放感がある反面、断熱性や気密性が下がりやすいという側面もあります。特に寒冷地では、階段を通して上階の冷気が下階に流れ込む可能性があるため、間取りの工夫や建材の選定が必要です。階段周辺に断熱性の高い窓や扉を設ける、床暖房と併用するなどの対策が有効です。設計段階での断熱・気密計画をきちんと行うことが、快適な住まいづくりにつながります。

スケルトン階段の設置費用の目安

スケルトン階段の設置費用の目安

スケルトン階段の設置費用は、一般的に30万円〜100万円以上と幅があり、素材やデザイン、施工方法によって価格は大きく変動します。例えば、木材とスチールを組み合わせたスタンダードなタイプなら比較的安価ですが、特注デザインや高級素材を使用する場合は費用が高くなる傾向があります。安全性の確保や仕上がりの美しさを重視するためにも、信頼できる施工会社への相談が重要です。

おしゃれなスケルトン階段の実例紹介

スケルトン階段と吹き抜けのある開放的なキッチン

スケルトン階段と吹き抜けのある開放的なキッチン

大きな開口をもつ明るいLDKに、スケルトン階段と吹き抜けを組み合わせた開放的な空間です。キッチンに隣接するリビング階段をスケルトンにすることで、空間全体がつながり、広々とした印象を与えることができます。天井から自然光が差し込み、階段を通じて柔らかい光がキッチンまで届く設計で、家事をする時間も心地よいものに。上下階の視線や声が届きやすいため、家族同士のコミュニケーションも自然と生まれます。

スケルトン階段でスタイリッシュな雰囲気を演出

スケルトン階段でスタイリッシュな雰囲気を演出

黒のスチール製のスケルトン階段が、モノトーンで統一されたモダンなLDK空間に美しく溶け込んでいます。直線的なデザインが空間を引き締め、インテリア全体にスタイリッシュなアクセントを与えています。階段は大きな吹き抜け空間に設置されており、白い壁に設けられた大開口の窓からは、外の景色を眺めながら上下階を移動できる設計です。機能性とデザイン性を兼ね備えた空間は、日常の動線に美しさと楽しさを加え、洗練された暮らしを演出しています。

今回は、おしゃれな空間を実現できる、人気のスケルトン階段について詳しくご紹介しました。スケルトン階段は、視界が抜ける開放感や空間のアクセントとなる点が魅力です。間取りやデザイン、生活動線に合わせて取り入れることで、より快適で魅力的な空間が実現できるでしょう。たくさんの実例を参考にしながら、後悔のないおしゃれなスケルトン階段を作ってみてはいかがでしょうか。