コラム 2025.8.4(公開日: 2024.11.11)

玄関ポーチとは?広さや設置のポイントについてご紹介

玄関ポーチとは?広さや設置のポイントについてご紹介

玄関ポーチは家の顔に当たる部分です。注文住宅を建てるなら、玄関ドアや外観にもこだわりを持ちたいとお考えの方は多いのではないでしょうか。玄関は、ドアや屋根など、個々のパーツのデザインだけではなく玄関ポーチという空間全体で考える必要があります。今回は、玄関ポーチについて詳しくご紹介しましょう。

玄関ポーチとは

玄関ポーチとは

玄関ポーチとは、住宅の玄関ドアなど、出入口の外側に設けられた屋根付きのスペースを指します。庇があることで、玄関ドアを雨や日差しから守る役割があり、住まいの外観を引き立てるデザイン面でのアクセントにもなります。また、郵便物の受け取りや来客時の応対時にも便利です。玄関ポーチは、家の第一印象を左右する重要な場所であり、機能性とデザインの両方を考慮して設置されることが一般的です。

玄関ポーチの最適な広さ

玄関ポーチの最適な広さ

玄関ポーチの広さは、使い勝手や家のデザインを考慮して決めることが大切です。一般的には、傘をさして出入りがしやすく、来客が数人立っても余裕がある2~3畳程度の広さが最適とされています。この広さがあれば、配達の受け取りや靴の脱ぎ履きもスムーズに行えます。また、広めの玄関ポーチを設けることで、花や観葉植物などを飾り、外観に彩りを加えることも可能になります。用途やライフスタイルに合わせた広さを選ぶことが重要と言えるでしょう。

玄関ポーチの役割

玄関ポーチの役割

出入りをスムーズにする

玄関ポーチがあることで、出入りの際に便利な“緩衝スペース”として役立ちます。たとえば、雨の日でもポーチの下で傘の開閉ができるため、濡れずにすみます。買い物帰りには、荷物を一時的にポーチに置いてから、ゆっくり鍵を出して玄関を開けることができるなど、実用面でもメリットが多くあります。また、ベビーカーや車いすを使う際にも、ポーチがあることで出入りがスムーズになり、安心感のある動線が確保できます。

日差しや雨風を遮る

屋根があることで、玄関ポーチはさらに快適で機能的な空間になります。外壁や玄関ドア、ポーチの床を雨や汚れから守ることができ、メンテナンスがしやすくなるうえ、外観の美しさも保ちやすくなります。また、強い日差しを遮ることで紫外線による素材の劣化を防ぎ、住宅を長持ちさせることにも繋がります。人の出入りの際に便利なだけでなく、家全体の寿命を延ばすという意味でも玄関ポーチは役立つ空間と言えるでしょう。

おしゃれな印象をあたえる

玄関ポーチは、家を外から見たときに最も目を引く「フォーカルポイント」となる場所です。つまり、その家の第一印象を決める大切な空間です。この部分のデザインにこだわることで、家全体の印象が洗練されたものとなるでしょう。さらに、屋根の形状や植栽、照明などに工夫を加えることで、玄関まわりの魅力がより一層引き立ちます。

玄関ポーチの設計の際のポイント

屋根(庇)

屋根(庇)

玄関ポーチに設ける屋根、いわゆる庇(ひさし)は、雨風や日差しを防ぐために欠かせない要素です。適切な庇の長さや角度を確保することで、玄関周りの濡れやすい場所を減らし、傘を広げたり閉じたりする際の不便さを軽減できます。また、日差しを遮ることで夏場の直射日光による玄関の温度上昇を防ぎ、快適な空間を維持します。さらに、庇のデザインによって玄関の印象も大きく変わるため、建物全体との調和を考慮した設計が重要です。

玄関ドア

玄関ドア

玄関ポーチにおいて、玄関ドアのデザインや使い勝手も重要なポイントです。ドアの開閉がスムーズに行えるよう、ポーチの広さとドアの開く方向を考慮することが大切です。また、玄関ポーチとドアの色や素材を合わせることで、統一感のある外観を作り出せます。防犯性や断熱性を高めるために、二重ロックや高性能なドア材を選ぶこともおすすめします。

照明

照明

玄関ポーチの照明は、安全性と利便性を確保するための重要な要素です。夜間の出入りや来客時に足元をしっかりと照らすことができるよう、適切な位置と明るさの照明を設置することが求められます。人感センサー付きの照明を採用すると、暗くなってからでも自動で点灯してくれるため、防犯対策としても効果的です。また、デザイン性にもこだわり、建物全体の雰囲気に合った照明を選ぶことで、玄関ポーチの魅力をよりいっそう高めることができます。

階段

階段

玄関ポーチに設置する階段は、使いやすさと安全性を重視した設計が大切です。段差の高さを低めに設定し、手すりを設けることで、小さな子供や高齢者も安心して利用できます。また、階段の幅を広めに取ることで、荷物を持った際の上り下りも楽になります。デザイン面では、外観に合った素材や色を選び、統一感を持たせることがポイントです。滑り止め加工を施すなどの安全対策も忘れずに行いましょう。

床材

床材

玄関ポーチの床材は、見た目の美しさだけでなく、耐久性やメンテナンスのしやすさも考慮しましょう。雨の日に滑りにくい素材を選び、防水性のあるタイルや石材を採用することで、汚れや水はけも良くなります。また、定期的な掃除や手入れが簡単な素材を選ぶことで、いつでも清潔な状態を保てます。さらに、家のデザインに合わせた色や模様を取り入れると、玄関ポーチ全体の雰囲気をより魅力的に演出できます。

アプローチ

玄関までのアプローチとポーチは、セットで考えることで使い勝手がぐっと良くなります。敷地の入口から玄関ポーチまでデザインに統一感を持たせることで、見た目の印象もアップ。また、車からの動線やベビーカー、スーツケースなどの移動をスムーズにするためには、段差や傾斜をできるだけ抑えるというのもポイントです。また夜間の安全性にも配慮して、足元灯などの照明計画も忘れずに行いましょう。

立地環境

玄関の位置や敷地の形状、塀の有無など、立地条件によって玄関ポーチまわりのデザインは大きく変わります。たとえば住宅が密集しているエリアでは、隣家と玄関ドアが向かい合わないような配置にする工夫が必要です。また、敷地に塀がない場合は、玄関が道路から丸見えになることもあり、プライバシーや防犯面での配慮が求められます。それぞれの条件に合ったデザインを取り入れることで、使いやすく安心感のあるポーチ空間をつくることができます。

おしゃれな玄関ポーチの施工事例3選

駐車場に併設した濡れにくい玄関ポーチ

駐車場に併設した濡れにくい玄関ポーチ

こちらの事例は雨の日でも濡れにくいよう、駐車スペースからすぐにアクセスできる印象的な玄関ポーチ。駐車場自体はオープンな作りですが、2階のインナーバルコニー部分が庇として機能していることから、濡れにくい構造となっています。また車からの動線が短く、荷物の出し入れもスムーズ。屋根の形状や素材にもこだわっていて、実用性とデザイン性を両立させています。

テラス一体型の開放型玄関ポーチ

テラス一体型の開放型玄関ポーチ

広々としたテラスとつながる開放感あふれる玄関ポーチ。ポーチ部分をリビングとつなぐことで、まるでアウトドアリビングのような使い方も可能に。また大きな庇があることで、雨の日でも安心して使うことができます。クールな印象のグレーの外壁に軒裏の木目で暖かさを加えたデザインは、住宅内部の色使いとも統一感を演出しています。

デザインで魅せる庇型玄関ポーチ

深いグリーンのガルバリウム鋼板の外壁と、クールでモダンな庇デザインがスタイリッシュな印象を与えるポーチエリアです。吊り下げ式の庇はシンプルでシャープに見せたい場合にピッタリ。全体的に深いトーンの外観に、明るさを感じるベージュのタイルとホワイトの扉が、優しい雰囲気をプラスしています。シンプルにしたいけど、個性を出したいという方におすすめのデザインです。

今回は、玄関ポーチについて詳しくご紹介しました。家づくりにおいてあまりメインでは考えることの少ない玄関ポーチですが、役割や設計の際の重要なポイントなど、事前に考えておくとより暮らしやすい住まいが実現するでしょう。