コラム 2025.12.22

GX志向型住宅とは?条件や補助金まで分かりやすく解説

GX志向型住宅とは?条件や補助金まで分かりやすく解説

家づくりの情報を調べる中で、「GX志向型住宅」という言葉を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。地球環境にも家計にも優しい、これからの暮らしの新しいスタンダードとなり得る住宅です。現在は補助金制度も充実しているため、高性能な住まいを検討している方に向けて、ぜひ知っておきたいGX志向型住宅のポイントをご紹介します。

GX志向型住宅とは?

GX志向型住宅とは?

GX志向型住宅は、Green Xformation(グリーン・トランスフォーメーション)、つまり脱炭素社会の実現を目指す住宅のことで、「脱炭素志向型住宅」とも呼ばれます。エネルギー効率を最大限に高めることを目的とした次世代型の省エネ住宅であり、国が推進している住宅省エネ化の取り組みの中でも、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準を大きく上回る非常に高い性能が求められます。高い断熱性と省エネ設備、そして太陽光発電などの再生可能エネルギーの活用により、環境負荷を軽減しながら、快適で光熱費の負担が少ない暮らしを実現します。

GX志向型住宅の条件

GX志向型住宅の条件

断熱等性能等級6以上であること

外壁や窓などの断熱性能を示す指標で、7段階中の上から2番目の等級6以上が求められます。これは、冬は暖かく、夏は涼しい快適な室内環境を、少ないエネルギーで保つための重要な要件です。高断熱材や高断熱窓の採用が不可欠となります。

再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率が35%以上であること

冷暖房、給湯、照明、換気に使用するエネルギーの量(一次エネルギー消費量)を、国の定める基準値から35%以上削減する必要があります。高性能なエアコンや高効率給湯器などの省エネ設備の導入が鍵となり、住宅の設計段階からの配慮が重要です。

再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率が100%以上であること

太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーによる創エネ量を含めて、一次エネルギー消費量を100%以上削減することを目指します。自宅で使うエネルギーを実質ゼロ、もしくはそれを上回る形でまかなえるだけの高い創エネ性能が求められます。

高度エネルギーマネジメント(HEMS)の導入

HEMS(Home Energy Management System)を導入し、エネルギーの「見える化」と、設備機器の「制御」ができるようにすることも、GX志向型住宅の重要な条件です。エネルギーの使用状況を把握し、効率的な運用をすることで、さらなる省エネと快適性の向上を図ります。

ZEH・長期優良住宅との違いとは?

ZEH・長期優良住宅との違いとは?

GX志向型住宅は、高い断熱性と省エネ性能を追求する点でZEHや長期優良住宅と共通していますが、求められる性能基準に違いがあります。GX志向型住宅は断熱等性能等級6以上と、ZEHや長期優良住宅で基準とされる等級5以上を上回る水準が要求されます。

また、創エネについても、ZEHがエネルギー収支「実質ゼロ」を目指すのに対し、GX志向型住宅は再生可能エネルギー込みで100%以上の削減を目標とするため、より高性能な太陽光発電などの設備が求められます。さらにZEHでは、長期優良住宅が耐久性や維持管理といった長寿命化に重点を置いているのに対し、GX志向型住宅は脱炭素と高い省エネ・創エネ性能に特化している点も異なります。

gx志向型住宅の補助金制度

gx志向型住宅の補助金制度

GX志向型住宅を新築する際には、国が推進する「みらいエコ住宅2026事業」の補助対象となり、高額な補助金を受け取れる可能性があります。

補助金額

GX志向型住宅の場合、1戸あたり110万円の補助金が設定されています。

補助対象世帯

最大の特徴は、ZEHや長期優良住宅の補助金が原則「子育て世帯」または「若者夫婦世帯」に限定されるのに対し、GX志向型住宅は世帯の属性を問わず、すべての世帯が対象となる点です。

申請条件

・床面積が50㎡以上240㎡以下であること。

・所定の要件を満たすGX建築事業者が施工すること。

・令和7年11月28日以降に、基礎工事より後の工程の工事に着手していること

 

補助金の申請には、家づくりを依頼する工務店やハウスメーカーが事前に事業者登録を完了している必要があるため、補助金活用を検討する際は、まず建築業者に相談することが大切です。GX志向型住宅は、その高い性能から初期費用は高くなる傾向がありますが、補助金を活用することで費用の負担を軽減し、将来の光熱費削減という経済的メリットも享受できます。

※出典:みらいエコ住宅2026事

みらいエコ住宅2026事業の概要

まとめ

GX志向型住宅は、断熱等級6以上という厳しい条件をクリアし、高い省エネ性と創エネ性を兼ね備えた、地球にも家計にも優しい次世代の住まいです。全世帯が、補助金の対象となるため、高性能なマイホームを検討されているすべての方にとって大きなチャンスと言えます。ぜひこの機会に、私たちと一緒に未来につながる高性能な家づくりを始めてみませんか。